劣等感から逃げられない

オナ禁２９日目。
ひどくムラムラする。
セックスがしたい。すごくしたい。
それでも誰でもいいわけじゃない。
誰でもいいなら風俗にいくわけだし。
風俗に行かないのは、ただ単にセックスをしたいわけじゃなくて、
自分を生物として受け入れてもらいたいからだ。
出来ることなら雄としての自分を雌に受け入れてもらいたい。
雄マントルコと雌シリンダー。

我、未だ性欲の奴隷なり。

禁煙７日目。
吸いたくないって言ったら嘘になる。
特にご飯をたらふく食べた後なんて人差し指と中指の間から空気をひたすら吸い続けるエア喫煙をついしてしまうくらい、吸いたい。
それでもまだ吸ってない。
喫煙所を通り過ぎるとき、美味しそうに吸ってる奴らを横目に耐える。
それでもまだ吸ってない。
正直、今これを書いてる時もものすごく吸いたいです。

我、未だニコチンの奴隷なり。

なんで勉強ばかりしているかと言うと、一番の理由は将来の保留だろう。
保留し続けて、今笑えない状況になっているにも関わらず、
何かにむけて一歩踏み出すことを未だに避けている。
早ければ明日にでも消えている知識を頭に詰め込んで、一時の安らぎを得る。

きっと俺は保留し続ける。
最後まで勝負をしない。
きっと勝負をするのは縄で首をくくる時くらいだ。

二日前のことだ。
昼にふと顔を触ると、ヒゲが硬かった。
まるでオナ猿の時のような硬さだ。量もあった。
もしかしたら夢精したかもしれない。
起きた後いちいちパンツを確認してるわけじゃないが、
それでも夢精したら分かるはずだろう。
急に男性ホルモンがモワっと出た原因が気になる。
今はヒゲは少し落ち着いてきたが、肌がまたツルツルしなくなった気がする。

今、19日目。こんなに禁欲したのは高一以来だ。
筋トレと並行してるから効果は薄いがそれでも実感は出来る。
ただ誘惑に負けそうだ。今日ピンサロに行くかオナホを買うか真剣に悩んだ。
もう一段二段の精神的向上が見られないなら、挫けてしまいそうだ。

ここ数日外に出ずっぱで落ち着く暇がない。
そのせいか、オナ禁13日目を迎えたからかは定かではないが
ものすごくイライライライライライライラする。
些細なことで被害妄想全開にしてイライライライラする。
会話をしている相手の言葉が投げやりだとか、下に見られてるとか、
馬鹿にされてるとか、なぜかそういうことばかり考える。
店の店員や会社の受付にもぶち切れそうになる。
そんな日がここ何日か続いてた。

そして遂に事件は起った。いや、起りかけた。
今日、東京は雨だったんだが、駅のホームで傘が当たっただ、服に傘の水滴が飛んだだの言うことでおっさん（って言っても20代かせいぜい30代くらい）と口論になった。
俺は最初は適当にごめんなさいって流してたけど、舌打ち絡めて舐めくさった態度と言葉を投げかけ続けてきたので、怒りゲージがたまっていき、
クチから汚い言葉を発してしまった。
「うっせーよ！ぶっ殺すぞ！」
衝動的にかなりでかい声をあげたので、相手はびっくりしたみたいだった。そのまま胸ぐらつかんでゆすったら、
「いいいや、そういうのは止めましょうよ」って敬語で返ってきた。
少し冷静になって何も言わずに背を向けて改札を出た。

家に帰ってお茶を飲み、少し落ち着いた。ごはんが進む君がご飯を進ませるように、イライラはタバコを進ませる。
昨日か一昨日あたりに禁煙をしようと決意してた気がするのに。

冷静になってイライラするのは被害妄想や完ぺき主義であることが原因のような気がしてきた。もっと感謝しなくてはいけないんじゃないか。
例えば、おっさんが止めましょうよって言ってくれたから殴って警察のお世話になることもなかったし、周りの人が無関心だったのは俺を成長させようと暖かく見守ってくれたんじゃないか、とかね。
ちょっと今は難しいけど。
イライラと同時に恥ずかしい。ああ恥ずかしい。

9日目に入りました。
エロ禁もほどほどにしていたのですが、
昨日、エロサイトを閲覧しているとき、自分が好きな企画系女優の見たことない作品がありまして、思わず書生の愚息、いわゆる陰茎に手を伸ばしてしまったわけです。
そうなってしまうと、なかなか引き返すのが難しいわけで、
例えるなら間違って高速道路に乗ってしまうと、戻りたくても戻れない、逆走すると大惨事になる確率が高く、結局乗り続けなくてはいけない。
そういう状態になるわけであります。
それでも私は最後の一線をこらえ、大量のよだれを漏らした愚息をなだめ、鞘にしまいこんだわけであります。
間違いなく自慰行為の一貫と捉えられるわけですが、私はリセットと認めません。

なぜなら、高速道路走行（通称我慢汁遊び）は明らかに通常の射精を伴う自慰行為とは一線を画すものだからであります。
感覚的には、翌日の体の感じが通常の射精の場合よりもましなのです。
科学的には、精液を体内に留めることによって、男性ホルモンの活発化を若干弱めるためだと思われます。

そして何より、０か１かのデジタル思考、完璧ではない行為はする意味がない、これはオナ猿がよく陥る思考であり、悪しきものであるからです。

確かに高速道路に迷い込むことはエロを禁じることに比べ、明らかに信仰心が薄いと感じられる行為です。
しかし、そこで射精することはオナ禁教の神を否定するということになり、信者がもっとも行ってはいけない行為なのです。
ゆえに反省すれど信仰心を捨てることは絶対に行わないと誓いをたて、今日もオナ禁に励む所存であります。

肌は少しつるつるしてきました。
表情はあまり変わりません。
生活は相変わらず引き篭もっていて有意義なことはしていません。
心は基本的に落ち着いていますが、現実に帰ると時々発狂しそうになります。